2026年10月号 不動産賃貸関係の消費税区分、飲食費の法人税区分 


(微妙で意外にややこしいです。とくに飲食費、交際費。

外資系みなし大法人はやっぱり注意が必要です。)

2026年 10月                        

 

スタッフに記帳をおねがいしていると、よく悩むポイントがあり、わりとよく悩んでいるのが「不動産賃貸業の消費税区分」と、「飲食関係経費の会計処理」です。私も細かい部分をきかれると、「あれ、どうだったかな?」と悩むときがありますので、今回はそちらを大まかにまとめてみました。

1.不動産賃貸業の消費税区分

 細かいところは無視しまして、実務でよくでてくる代表的なところをまとめると以下の通りです。

①収入

種類消費税区分
賃貸収入、権利金、礼金(事業用)10%課税
賃貸収入、権利金、礼金(居住用)非課税
旅館、民泊、ウィークリーマンション10%課税
原状回復費用、鍵交換、クリーニング代(事業、居住とも)10%課税
駐車場代(事業用、居住用でも別途収受する場合) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6226.htm10%課税

上記の通り、居住用でも課税売上が発生するケースはありますので、注意は必要です。また、これで課税売上5億円超や課税売上割合95%未満だと、課税非課税共通の区分も判定しなきゃいけないのでもひとつ大変ですよね・・。

②経費

種類消費税区分 (課税、非課税、共通対応区分は除く)
不動産管理会社への管理費用10%課税
(対価性のない)管理組合費用不課税
修繕積立金  不課税、(ただし、所得税の経費計上は原則支出時資産、修繕発生時に経費、要件を満たせば支出時の経費計上が可能)

 上記のとおり、管理費用が「民間企業なのか管理組合なのか」また、「修繕積立金は消費税の仕入税額控除はダメだけど、要件をみたせば所得税の経費計上は可能」というのがややこしいように感じます。私はたまに消費税と所得税の話を混同しそうになります。

2.飲食費の法人税法上の取り扱い

①社外、社内の飲食費の取り扱いの相違

  飲食関係もひとりあたり1万円以下で相手先や人数などを記載した帳簿があれば交際費に含めないという話が有名で割とそればっかり気にする傾向がありますが、

No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

 それ以外の社内、社外の話も結構掘り進めるとややこしいです。こちらも細かいところは無視しまして、大まかにまとめると以下かと考えています。

飲食相手ひとりあたり1万円以下ひとりあたり1万円超
社外交際費から除外 (実務的な勘定科目は会議費)交際費
社内1万円以下基準の適用はなく、実態で判断。 実態により、 ①会議費 ②福利厚生費(要件あり) ③交際費(社内交際費、50%の損金算入もなし) https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/settai_faq/01.htm#q1 ④給与

 

 上記の通り、社外飲食費はシンプルですが社内飲食費は実態判断かつ1万円以下基準、50%損金算入基準もなしとなります。この辺はかなりわかりづらい整理です。

 ②飲食後のお土産は飲食費に含めてOK、お歳暮は飲食費に該当せず単なる交際費、得意先の送迎タクシー代(自社社員移動分が入る場合も)は飲食費ではない交際費

 あと、接待関連の飲食以外の経費は、交際費には該当しますが、飲食費にはならないという扱いがあります。また、「移動=旅費」という発想ですと、接待関連のタクシー代などを旅費交通費で処理しそうになりますので、御注意ください。

③1.飲食費の50%基準は、中小法人の場合交際費合計が800万円を超えない場合は関係なし。(選択制)

2.全額損金算入不可の資本金100億円超は、外資は普通関係なし。

3.交際費に係る控除対象外消費税額等はめったにでてこない。

 1.中小法人の損金不算入額の計算は、800万円定額控除か飲食費50%の選択なので、

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

 中小法人の場合交際費合計が年間800万円(実質的には飲食費合計で1600万円の場合)を超えていない場合は、交際費の別表を書くために飲食費の集計をする必要はありません。

 2.上記国税庁HPに「期末の資本金の額または出資金の額が100億円を超える法人(注)

損金不算入額は、支出する交際費等の額の全額となります。」となっており、親会社が大きくて大法人になっている外資系企業日本法人はどきっとしますが、「通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうちいずれかの法人の適用年度終了の日における資本金の額または出資金の額が100億円を超える場合におけるその通算法人を含みます。」となっており、外国法人が出資者である外資企業の場合通常は該当しないと思われます。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/group_faq/03.htm

 3.交際費に係る控除対象外消費税額等という論点があり、「そういや税理士試験の法人税法でそんなの習ったなあ~」とこちらも一瞬ドキっとしますが、そもそも「課税期間中の課税売上高が5億円超または課税売上割合が95パーセント未満である場合において、仕入税額控除ができなかった消費税等の額があるとき」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6917.htm

が前提ですので、普通はあんまりでてこないので、これも一安心です。ただ、「課税売上高が5億円超または課税売上割合が95パーセント未満」になると、一気に要注意で会計事務所としては「厳戒態勢」で臨まないといけないなと感じています。