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わかりやすいニュース 2018年11月号 大家さんが非居住者の場合の源泉徴収

大家さんが非居住者の場合の源泉徴収

(税金のとりっぱぐれを防ぐ優れたシステム)  

2018年11月

 

1.大家さんが非居住者の場合の税務は特殊

最近、日本への不動産投資熱の高まりに伴い、日本の不動産の所有者が外国に住んでいる、つまり大家さんが非居住者というケースも珍しくなくなっています。この場合、税務については大家さんが居住者の場合に比べ、取り扱いが特殊になっていますので、今回はそちらを解説します。

2.賃料の20.42%を源泉徴収 確定申告で還付

まず、家賃の支払いについてですが、これは非居住者がオーナーの場合、家賃の20.42%の所得税を源泉徴収しなければならないこととされています。オーナーにとっては、経費を引いた後の利益ではなく、収入の20.42%が源泉徴収されてしまいますので、結構な額となり、非居住者オーナーが日本で確定申告をした後に還付される場合が多くなっています。日本の税務署の立場からすると、非居住者からの税金のとりっぱぐれを防ぎ、自主申告を促進する優れたシステムと言えるのではないでしょうか。

3.譲渡も源泉徴収 源泉徴収しなくてよい場合は限定列挙

また、譲渡の場合も譲渡対価の10.21%の源泉徴収が必要です。こちらも収入の10.21%ですので結構な額です。なお、2も3も支払者が個人で自己居住用の不動産の場合等(譲渡は対価1億円以下)のみ、源泉徴収不要となっていますが、条文は限定列挙的な書き方ですので注意が必要です。例えば、支払者が個人でも投資用として購入した場合は、源泉徴収が必要となります。

4.納税管理人の選定と租税条約の確認

そのほか、非居住者に所得がある場合、非居住者に代わり日本で税務署とのやりとりをやってくれる納税管理人を選定する必要があります。(国税通則法117条)

また、2.3は日本の所得税法の取り扱いですので、非居住者オーナーの居住国が日本との租税条約締結国の場合、そちらが優先されますので確認が必要です。幣事務所でもこれらの業務を承っておりますので、御興味がある方はお問合せください。