(住民税のみ課税のパートの方が増え、少額の特別徴収が増えるか。法定調書は未払、提出者合計、給与支払報告書は特別徴収、納期特例注意。)
2026年 1月
2026年になり、皆様も昨年2025年の源泉徴収票の取得や交付が終わったところかと思います。その後、1月末までに法定調書、給与支払報告書の提出と若干面倒な書類提出をしなければならないわけですが、今月は、2025年の年末調整を終えて感じたところと、法定調書、給与支払報告書のポイント、今後の社会保険の壁の予測についてお話をしたいと思います。
①2025年年末調整結果 所得税の壁は60万近くあがったが、住民税は10万だけ 少額の住民税課税が増えるか?
いわゆる年収の壁騒動で、2025年は所得税の控除額が下記の通り上がりました。
令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁
この影響で、従来より高い所得金額のパートの方も増えたかもしれませんが(従来なら壁を超えそうになると働き控えをしていたゾーンの方です。)、一方住民税の年収の壁は変更額が異なります。下記の通り、給与所得控除額の10万円しかあがっていません。
令和7年度税制改正の内容と年収の壁について/町田市ホームページ
そうすると、所得税、社会保険はセーフですが、住民税のみ少額課税され、会社も少額の特別徴収が必要になるという微妙なパターンの方が2025年は増えたかもしれません。
②法定調書合計表→税務署 源泉徴収関係の報告 税務以外(在留許可・社会保険)で要求される局面も多い 全員の源泉徴収票を添付しているわけではない 支払調書の交付は義務じゃない 未払いの記載は面倒
次に法定調書のポイントですが、まず、これは税務署提出用の書類です。しかしながら、実務的には意外と税務以外の場面で必要とされるケースも多く、例えば在留許可の更新時や社会保険の書面調査でも要求されたりもします。なお、記載内容のうち割と意外なのは、実は税務署には社員全員の源泉徴収票を提出しているわけではなく、一定の要件に該当した者のみ提出しているという点です。また、合計表の税務署提出源泉徴収表の金額の合計欄は、その会社からの給与支給額ではなく、純粋に源泉徴収票の金額を記載しますので、前職の金額が加算される場合があり、わかりにくいところです。また、未払がある場合も、源泉所得税の納付のタイミングとずれますので、これまた微妙にいやらしいところです。そのほか、よく誤解されている支払調書の本人への交付の法的義務はありませんので、交付してくれているところは親切で交付してくれているということになります。(年々本人へ交付してくれる源泉徴収義務者が減っている気がします)
③給与支払報告書→市区町村 2か所給与の申告漏れなどはここで発覚するケースが多い 3人以上は特別徴収→納期特例は市区町村ごと
次に、給与支払報告書のポイントです。こちらは一般的にはほとんどの社員を申告することになりますので、2か所給与の申告もれなどはこの申告から当局が把握するケースが多くなっています。また、社員3人以上だと給与から天引きの特別徴収になります。面倒なので少人数での特別徴収の場合、住民税の納期特例を選択する場合が多いと思いますが、市区町村ごとに届出書の提出が必要であるのと、納税期限が所得税の納期特例より1か月早い点に注意が必要です。
④おまけ 社会保険の壁はあがるか?多分あがらず、稼ぐならパートの方も社会保険にはいってくださいという方向にいくのでは・・
さて、上記の年収の壁ですが、「所得税の壁があがっても、社会保険の壁が上がらないと意味がない」という嘆きをよく聞きます。実際、私もそう思います。社会保険の130万円の壁があるので、160万円まで働くひとは少ないのではないでしょうか。では、この壁は今後あがるのでしょうか?社会保険労務士の先生の話や、政府のかたくなな様子をみておりますと、ここは上がらず、逆に「パートさんも社会保険にはいりましょうよ!ご自分の年金がふえますよ」と、のせられる方向に行ってしまうのではと予測しております。