所得税法における甲欄、乙欄、丙欄
(結局ほとんどの基本情報が必要!)
2019年1月
1.所得税法における甲欄、乙欄、丙欄とは?
外国企業の方に日本の税務実務を説明する際、わかりにくい概念が、従業員の所得税源泉徴収の「甲欄、乙欄、丙欄」です。従業員を甲欄、乙欄、丙欄に分類し、それに基づき源泉徴収を行う制度ですが、確かに外国人の方にはわかりにくいルールです。今回はそちらを解説します。
2.甲欄は入社とともに扶養控除申告書を!
まず、大多数の方は甲欄です。これは、「主たる給与、メインの給与をこの職場からもらっていますよ」という場合に、「扶養控除申告書」を提出すると甲欄での源泉徴収で良いことになります。この甲欄の場合が、最も所得税の源泉徴収額が少なくなり、よくいう「月給8万なら税金かからないよ」という話もこの甲欄に該当する場合を前提としています。適用には「最初の給与の支払い日まで」に扶養控除申告書を提出することになっていますので、入社とともにこちらを提出してもらうのがよろしいかと思います。
3.乙欄、丙欄も結局個人の基本情報がいる 入社とともにゲット!
甲欄以外の乙欄、従たる給与、丙欄は日雇い、日払いの方が該当します。この場合、「主たる給与は他にあるでしょう。トータルの給与は多分もっと高いよね。」という考えもあり、甲欄よりも多めに税金が徴収されます。この場合、扶養控除申告書の提出は不要ですが、年末に源泉徴収票を作成して従業員本人に交付するためには結局扶養控除申告書と同じような基本情報(住所、生年月日)は必要になります。また、課税当局から「架空給与だ」との疑義を招かないためにも、乙欄、丙欄の場合も基本情報は入社とともに記入してもらうのがよろしいかと思います。