2021年9月号 日本に住む外国人が相続人の場合の戸籍と登記 


(外国人の方には戸籍がないため、国籍地官憲又は在日領事館が作成する書類を提出)

2021年9月                        

1.日本に住む外国人が相続人の場合

 最近の日本の相続業務では、日本に住む外国人の方が相続人であるケースも珍しくありません。被相続人(亡くなられた方)が日本人の旦那さんで、相続人の奥さんが外国人といった場合です。この場合、相続税の計算に関しては基本的に相続人が日本人である場合と同様なのですが、相続した不動産登記の手続きには、日本人である場合と必要資料が異なると司法書士の先生に教えてもらいました。今回はそちらについて解説します。

2.驚きの事実 外国人には住民票はあっても戸籍はない!

 まず、驚くのが(私が知らなかっただけかもしれませんが)、日本に住んでいる外国人の方は、在留カードと住民票はあっても、戸籍は実はありません。日本人と結婚している方などの場合、日本人の配偶者として、当該日本人の方の戸籍の身分事項欄には名前はでてきますが、外国人本人の戸籍はないことになります。「だから何なの?」と思われるかもしれませんが、実は相続した不動産の登記などには通常は、被相続人の死亡時に相続人が生存していたことを確認するため、相続人の戸籍が必要で、外国人は戸籍がないという問題が生じます。

3.じゃあどうするの?国籍地又は領事館で書類をゲット!

 「じゃあ外国人はどうしたらいいの?」というところですが、これが特殊な書類が必要になります。戸籍の代わりに、外国人の方の国籍地や在日領事館で戸籍に替わる書類を取得してもらうと、戸籍の代わりとして日本の法務局で受け付けてもらえるようです(運用面は法務局の管轄によって、異なる場合もあるようです)。