①新刊書籍「中国・アジア企業 外資・外国人への税務支援入門」出版のお知らせ
下記の「中国・アジア企業 外資・外国人への税務支援入門」という弊社新刊書籍が、4月10日に税務経理協会より出版となりました。
書店等ページは以下の通りです。
外資・外国人の税務(主として中華系のインバウンド)について書いており、
弊社のような零細国際会計事務所が、外国の巨大企業グループの日本法人の顧問をさせていただくなかで、どういった壁にぶつかり、それをどのように解決していったかといった内容について書いております。
書店などで見かけられましたら、お手にとっていただければ幸いです。
②内容(目次)
本書籍の目次は以下の通りとなっておりますので、御参考までに御案内いたします。
はじめに
第1章 海外ビジネスの一般化
1 日本企業の進出と外国企業の投資海外ビジネスの変遷
2 ビジネス環境の変遷と税理士の関与範囲
3 インバウンドビジネスでの外資企業による実際利益の獲得
4 実務面の苦労
5 事例 消費税納税義務の説明の苦労(枝葉末節より論理性)
6 事例の具体的説明
❶ 世界的に主流であるインボイス方式
❷ 日本の帳簿方式
❸ 根拠規定
❹ 仕入税額控除の規定
❺ 世界の税法との比較
7 論理的な粘り強い説明が重要
❶ 論理性が重要
❷ 外国人は意外に根気よく聞く
第2章 外資企業はどこからやってくるか? −本来やってほしい設立前検討と事業の設計−
1 最初に誰が接触しているのか?
❶ どこから外国企業はやってくるのか?
❷ ある日突然訪ねては来ない
❸ 会社を作るのが先で税務上の論点を検証していない
❹ 弁護士・司法書士・行政書士・コンサルタント・同国人のネットワーク
2 税理士の出番は? 後に見えるが理想は先!
❶ 届出関係
❷ 法人設立時の届出書と必須の届出書
❸ 役員報酬関係
⑴ 役員報酬を通常の社員と同じように支給
⑵ 就労許可との整合性の問題
⑶ 非居住者時代から役員報酬の支給は可能か?
❹ 使用人兼務役員問題
❺ 外資企業の一人役員が使用人兼務役員になれるか
❻ 定期同額給与の支給日と事前確定届出給与の支給日
❼ 外国親会社のカレンダー・休日には注意
❽ 資本金額
⑴ 資本金額の検討を行っていなかったことによる失敗例
⑵ 非中小法人,非中小企業者で適用ができない主な優遇
⑶ 中小法人の要件
⑷ グループ全体設計・日本拠点についての税務視点の欠落
3 事例 ああ憧れの日本本店と海外支店
❶ 無防備に設立された日本本店と海外支店
❷ 本支店との合算で零細企業に特殊論点のフルコース
⑴ 支店の取扱い
⑵ 現実的には海外支店の財務資料を活用するが……
⑶ ビジネス上の問題
❸ お節介や素朴な疑問も有用
4 顧問契約を締結する税理士は外国企業と相性がよい
第3章 会計事務所との契約
1 設立前相談の必要性と現実
2 外資企業との顧問契約
❶ 外資企業との契約書は大変重要
❷ ひな形の内容そのままで契約されることはない
❸ 要求は盛り込むべき
❹ 契約締結段階では侃々諤々でも実務はスムーズに進むケースも
❺ 論理的なやりとり
❻ 管轄裁判所
❼ 言語
3 事務所のスタンスを説明する絶好の機会
第4章 設立時の届出とその影響
1 そもそも全てが未提出
❶ 欠損金対策
❷ 事業年度変更
2 納期特例等未提出・源泉所得税納付の案内なし
❶ 不納付加算税
❷ 延滞税
❸ 消費税関係
3 日本銀行の対内直接投資の届出
❶ 日本銀行の対内直接投資の届出
❷ 届出概要
❸ 実務的な浸透度
第5章 事業開始前の体制準備① −日本の税務ガイダンス−
1 基礎情報の提示と教育の重要性
❶ 知識の前提が異なる
❷ 教育の必要性
❸ 本国親会社が上場企業・大企業の場合
⑴ 法律を根拠とした論理的説明がより重要
⑵ 企業本社の各部門エキスパートへの対応
⑶ 外国語資料の充実
⑷ 年間スケジュール表の提示
2 社会保険の重要性と他の専門家との連携
❶ 赤字でも必ず出てくる負担
❷ 人事部門による細かい質問
❸ 国内企業より重厚な説明が必要
❹ 税金に比べて計算基数・納付頻度等がわかりにくい
⑴ 社会保険
⑵ 労働保険
⑶ 社会保険と労働保険の微妙な差異
❺ 社会保険労務士との連携の必要性
3 事例
❶ 大手企業の初めての日本進出
❷ 何の問題もなさそうだが
❸ 親会社各担当者による質問攻め
⑴ 財務担当者
⑵ 人事担当者
❹ 事業計画と税務上の注意点
⑴ 事業概要・事業計画の聴取
⑵ メインの商流の把握と問題点の提示(PE等)
⑶ 大枠の数値を入れた計画によるイメージ
4 我慢我慢の初期対応と装備の充実
❶ 親会社スタッフによる「乱取り」を乗りきる
❷ 充実した説明資料で対応するために
第6章 事業開始前の体制準備② −社印・資金管理−
1 外資企業のガバナンスの特徴
❶ 親会社でコントロールしたい
❷ 本国派遣の日本子会社駐在員はいない場合も多い
❸ 運用が違うもの(銀行口座・社印)─
2 個別ポイント
❶ 銀行口座
⑴ 口座開設は外資企業にとってハードル
⑵ 銀行口座運用(本国から管理可能か?)
❷ 社印管理
⑴ 外国に社印がある状態
⑵ 電子申告とPDFでの押印で対応可能
❸ キーマンの日本子会社社員
❹ 理想的な外資親会社(日本子会社社員・顧問税理士の関係)
3 事例
❶ 事例A 日本子会社責任者を最終的に代表取締役とした場合
❷ 事例B 日本子会社社員は営業に専念し本国から入出金・社印管理を行った場合
⑴ 銀行入出金体制の整備
⑵ 社印
4 最適なガバナンスは会社によりそれぞれ
第7章 税務基本情報の確認
1 ステータス確認(法人税)
❶ 支配関係の確認の必要性
⑴ 中小法人の判定
⑵ 中小企業者の判定
⑶ 資本金5億円以上の株主がいるか
⑷ 親会社のさらに上の支配関係を確認できない場合
❷ 移転価格文書への影響(グループ連結売上高1,000億円以上の場合)
❸ 消費税との関連
❹ 株主関係確認のまとめ
❺ 事例
⑴ 支配関係確認結果(中小法人に該当せず)
⑵ 顧客への連絡と会計処理の注意
⑶ 移転価格文書(まさかの提出義務あり)
❻ 特に支配関係の確認は重要!
2 ステータス確認(地方税)
❶ 国税と地方税の相違
⑴ 国税の中小法人の判定
⑵ 地方税の中小法人の判定
❷ 法人税・消費税の判定時期の相違
⑴ 法人税法の資本金
⑵ 消費税法の資本金
⑶ 支配株主の基準期間における課税売上高
⑷ 固定資産税・償却資産税等
❸ 横断での時間軸
❹ 中小法人・中小企業者非該当の場合の重要項目
⑴ 欠損金等の控除限度額
⑵ 軽減税率
⑶ 特定同族会社の特別税率(留保金課税)
⑷ 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
⑸ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
❺ 償却資産税
⑴ 納税義務
⑵ 計算根拠
⑶ 納税
⑷ 外資企業の反応
❻ 事例
⑴ 期首支配関係確認
⑵ 期末支配関係確認
⑶ 顧客との関係と実務
❼ 設立初年度は取引量の割に労力が大きいが後の投資といえる
3 ステータス確認(消費税)
❶ 外資企業における消費税の主な注意点
❷ 期中取引
⑴ 経費・仕入税額控除
⑵ 売上(課税売上に対応する消費税額)
❸ 消費税の納税義務
⑴ 基準期間がある場合
⑵ 基準期間がない法人
❹ 消費税対策
❺ 事例
⑴ 納税義務
⑵ 期中取引(免税事業者から課税事業者の選択へ)
❻ 納税義務の網羅的なチェックと課税事業者となった場合の対応
第8章 法人税特殊項目
1 移転価格文書
❶ 多国籍企業グループが作成する文書
❷ 国外関連取引を行った法人が作成する文書
❸ 提出資料の種類と期限・要件
❹ 各文書の提出時期
❺ 日本法人が複数ある場合
❻ 各文書と実務的対応
⑴ 最終親会社等届出事項
⑵ 国別報告事項
⑶ 事業概況報告事項(マスターファイル)
⑷ 独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)
⑸ 実務的対応
❼ 事例
⑴ 移転価格提出義務の確認
⑵ 最終親会社等届出事項の提出から
❽ 日本法人は小規模でも必ず連結総売上高は確認
2 PE
❶ PEの概要と運用
⑴ 国際的概念
⑵ 実務上問題になってくるケース
⑶ 法人税法と租税条約のPEの範囲の相違
❷ 日本の法人税法におけるPEの定義
⑴ 代理人PEの厳格化
⑵ 支店PEの非該当要件の厳格化
⑶ 建設PEの期間要件の厳格化
❸ 租税条約におけるPE
❹ BEPS防止措置実施条約に基づく統合条文
❺ 実務
❻ 事例
⑴ PEのリスクの検討
⑵ 顧客への説明と,商流の変更
❼ PEは租税条約の確認が必須
第9章 人の採用・社会保険
1 外国人採用時の注意点
❶ 採用前(在留カードの確認)
❷ 採用後(入国管理局の届出・在留期間の更新)
2 外国人社員と在留関係
❶ 顧客企業の外国人社員の主な在留資格
⑴ 身分に基づく在留資格
⑵ 就労系の在留資格
❷ 入社時に必要な手続
⑴ 在留資格系
⑵ 社会保険系
⑶ 税務系
3 税務
❶ マイナンバーとともに在留カードを
❷ 国外扶養親族
❸ 扶養控除申告書・年末調整関係資料は各言語による資料も
4 社会保険(社会保障協定)
5 事例
❶ 必要資料(採用前に在留カードを確認)
❷ 採用後(届出は行政書士に依頼)
❸ 社会保険(社会保障協定締結国の確認)
❹ 国外扶養親族に関する資料の注意喚起
6 外国人特有の手続の把握
第10章 決 算
1 12月決算への集中
2 考えられる対策
❶ 外部面の対策
⑴ できれば決算月はそのままに……寝た子を起こすな!?
⑵ 月次財務資料早期化を図っている企業
❷ 内部面の対策
⑴ 他業務も含めた前倒し(年末調整・源泉所得税集計・法定調書)
⑵ 繁忙期対策でのアシスタントスタッフ
⑶ 税理士の配置と確定申告
3 12月決算であることのメリット
❶ 個人と合わせやすい
❷ 非居住者に対する源泉徴収などが行われている場合に相手側の調書の締め日と合う
4 対策を勘案したスケジュール例
5 事例
❶ 顧客への事前打ち合わせと内部準備
❷ 年末調整・法定調書等他業務の前倒し
❸ 1月中に12月決算申告を相当数終了
6 12月決算への集中は不可避
第11章 非居住者の申告
1 外資企業・外国人の確定申告は
❶ 外資がらみの確定申告は?
❷ 非居住者(外国居住)の国内源泉所得の確定申告
2 日本居住の外国人の確定申告は?
❶ 原則は日本人と同じ
❷ 高額所得者の確定申告(高級人材の給与は高額)
❸ 国外財産調書
3 非居住者(国外居住者)
❶ 確定申告が必要になるケースは?
❷ 破壊的威力を持つ非居住者への源泉徴収制度
❸ 納税管理人
❹ 住民税は要件に該当しない限り不課税
4 事例(非居住者の源泉徴収始末記)
❶ 事例A 源泉徴収されていたケース
⑴ しっかりした不動産管理会社と賃借人
⑵ 喜びの還付申告,税理士へ感謝
⑶ 税務署から問い合わせがあったケース
❷ 事例B 源泉徴収されていなかったケース
⑴ 非居住者に対する源泉徴収義務を未認識
⑵ 納税と源泉徴収の必要性の説明
5 税法どおりのレールにのせる三方良しの方向に
❶ ルール・原則の説明とお願い
❷ 非居住者の源泉徴収制度の活用
❸ 税理士の税務行政への協力
第12章 非居住者の源泉徴収 −翻訳料の源泉徴収を例に−
1 非居住者への支払と源泉徴収
❶ 源泉徴収が必要な場合
❷ 納付時期
2 判定順序
❶ 租税条約締結国かの確認
❷ 租税条約上どの所得に該当するかの判定
❸ 国内源泉所得か国外源泉所得かの判定
❹ 租税条約の届出の必要性
3 翻訳料の支払の場合
❶ 概要
❷ 居住者への依頼か非居住者への依頼か?
❸ 非居住者の場合(翻訳はどの所得に該当するか?)
❹ 二次的著作物か?
❺ 届出
❻ 復興特別所得税はかからない
❼ 居住者への翻訳料の支払の場合の源泉
❽ 納期特例は適用なし
❾ まとめ
4 事例
❶ 翻訳業務の発生
❷ 源泉徴収の必要性の説明と実施
5 見過ごしがちだが少額でもまずは正攻法の説明を
第13章 非居住者である駐在員が日本から出国できなくなった場合の税務上の取扱い
1 2020年の中国駐在員の税務
❶ 春節休暇から事実上の国境封鎖へ
❷ 中国新個人所得税法による居住者の定義
2 日本の所得税法上の取扱い
❶ 日本の所得税法上の居住者の定義
❷ 注意点は日本国内負担給与
3 2020年の中国駐在員の取扱い
❶ 中国新個人所得税法概要
⑴ 計算方式(月次計算から年次へ)
⑵ 控除項目
⑶ 居住者の定義と計算方式
⑷ 永住者の基準が6年以上に
❷ 2020年の中国駐在員への影響
❸ 新個人所得税法による居住者の定義
4 事例
❶ 日本側税務
❷ 中国側税務
5 2020年の特殊性