2020年12月 移転価格文書 最終親会社等届出事項の書き方


(ラスボス感漂うネーミングですが、そこまで難しくはないです)

2020年 12月                             

 先日、日本の法人税の移転価格文書の一つである、「最終親会社等届出事項」の作成、提出を支援する機会がありました。「最終親会社」というラスボス感漂うネーミングから、「いったい、どんなものすごいことを届け出ているんだ?」と構えてしまいそうですが、実際は、そこまででもありません。大手の会計事務所しか対応していないイメージのこの業務ですが、中小零細会計事務所の顧客でも提出義務がある可能性があり、やってできないものでもありませんので、今回はそちらについて解説いたします。

1.最終親会社等届出事項ってなんだ?

 まず、最終親会社等届出事項とは何でしょうか?一定の要件に該当する多国籍企業グループ(簡単にいうとグローバル企業グループです)が、マスターファイル等の移転価格文書を提出しなければならない場合に、その提出期限の1年前に、企業グループのトップの親会社、日本の連結子会社についての情報を届け出る手続きです。

2.提出義務、時期は?

 最終親会社等届出事項、マスターファイルは、直前の会計年度の連結総収入(関係会社売上高ではありません)が1,000億円以上の企業グループに提出義務があります。提出期限は、①最終親会社届出事項が報告対象年度会計年度終了の日まで、②マスターファイルが報告対象会計年度終了の日の翌日から1年以内となっており、要はマスターファイル提出の1年前に、提出義務者の基礎情報を税務署に届け出るとことが、最終親会社等届出事項の役割となっています。

3.E-TAXの「多国籍企業情報の報告」コーナーからGO! 

 なお、上記文書はE-TAXでの提出が義務とされており、特殊な届出であるためか、通常の税務申告ソフトでは対応していない場合があります。その場合、国税庁のE-TAXの「多国籍企業情報の報告」というコーナーから申告する必要があり、CSVデータを取り込むなど、少し特徴のある操作となっております。

弊社でも提出義務の確認から届出まで、一連の支援業務を行っておりますので、御興味のある方はお問合せください。