2018年7月号  あっと驚く住民税  


あっと驚く住民税

(おまけの割に、思い切りの良いオリジナルルールが多い税金。)  

2018年7月                         

1.毎年6月は新年度の個人住民税徴収が開始される月

 毎年6月から、新年度の個人住民税の納税が始まります。「個人住民税なんて、国税のおまけでしょ?独自の計算式もないし」と思われる方もいるかと思います。たしかに、所得税の計算を援用しているのですが、実は住民税独特の思い切ったオリジナルルールも多くあります。とくに、海外へ出国したりする方は意外と個人住民税のインパクトも大きかったりしますので、今回は個人住民税の特徴的な部分を解説します。

2.1月1日で一年をぶった切る!

 まず、一番大きな特徴は、個人住民税は「1月1日の住所地で一年分が課される」という点ではないでしょうか。年間で日本国内をちょこちょこ引っ越した年があったとしても、1月1日に住所がある市区町村で一年分の住民税を納税することになります。また、日本から入出国する方は実はインパクトが大きく、「1月1日に日本に住所があるかないか」で一年分の住民税が変わってきます。

3.普通徴収と特別徴収、「普通は特別徴収でしょ!」という不思議

 次にわかりにくいのが「普通徴収、特別徴収」という言葉です。給与所得者であれば、勤め先が住民税を天引きしてくれるのですが、その方法が「特別徴収」になり、自営業の方などが自分で納税する方法は「普通徴収」です。ただ、圧倒的多数の方が給与所得者ですので、「普通は特別徴収でしょ!」というちょっとわかりにくい言葉使いになってしまいます。

4.課税の公平より地域振興?ふるさと納税は「野暮なことは言うな?」

 そのほか、最近人気のふるさと納税ですが、返礼品が過熱し、総務省がお達しを出す事態となっています。ただ、そこまで厳格な指導ではないようで、お得な返礼品をだす自治体がやはり人気のようです。税金の世界では普段は1円単位で当局がカリカリ指導してくる面もありますが、ふるさと納税に関しては課税の公平より地域振興を重視している面もあるということでしょうか。