2017年9月号 中国のお休みと法律 


(休日と、税務申告、労働法)

2017年9月                             

1.15日までにお休みがある場合、基本的に申告期限が伸びます

 中国では春節、国慶節など、日本の勤務者にとっては羨ましい一週間くらいの長期休日があります。ただし、毎月の税務申告期限は15日なのですが、月初にお休みがある場合、どうなるのでしょうか?これについては通常は休みの期間分申告期限が延長されることになっています。ゆえに、春節や国慶節は1週間程度申告期限が伸びます。なお、日本本社財務部の方は、中国子会社の財務資料の提出が通常より遅くなりますので御注意ください。

2.国慶節、春節は休むのが普通 休日出勤は手当が必要

 また、国慶節、春節はカレンダー通り営業している企業はほとんど休み、日本の正月のような休日出勤は特殊な業種以外あまり行いません。(多くのお店が閉まり、なんとなく、日本の昔のお正月のような雰囲気です)休日出勤をしてもらう場合は、法定の休日出勤手当が必要となります。(労働法44条)

3.月餅税ってなんだ?現物給与課税

 今年の国慶節は仲秋節も含んで8連休でした。仲秋節と言えば月餅ですが、「月餅税」という言葉があります。「なんですかそれは?酒税みたいもの?」と思うかもしれませんが、そうではなく、会社が月餅を従業員に支給した場合に現物給与として個人所得税が課税されることを表現した俗称です。「そんなものまで課税されるの?社会通念上許される範囲でOKじゃないの?」と日本の税務の感覚的には思うかもしれませんが、現地では1個800キロカロリーもあるとされるホンモノの月餅を支給するよりも、商品カード的なもので支給することもあるため、税務理論的にはある程度合理性のある課税なのかなと思います。