わかれば楽しい!中国の監査報告書
(内訳明細に納税調整表。まるで、現地情報の宝石箱や~!)
2022年 6月
1.中国の日系企業は今でもだいたい監査をしています
中国では以前は外資企業が外商投資企業法により、法定監査の実施は義務であり、現在でも一人有限公司は法律上法定監査の義務があることもあり、現在でも大多数の日系企業が監査を実施しています。監査報告書は通常5月の企業所得税確定申告までに作成されます。当該監査報告書は日本親会社でも非常に有効活用でき、見る人が見れば「まるで、現地情報の宝石箱や~!」と某食レポ名フレーズを口走ってしまいそうなくらい有用な資料ですので、今回はそちらについて解説をします。
2.中国語だけでも楽しめます 内訳明細
まず、日本語翻訳を頼んでいれば日本語版がありますが、漢字文化というのはありがたいもので、中国語版だけでもある程度有効活用することができます。主なものとしては監査報告書の中には、日本の決算書でいう内訳明細書のようなブロックがあり、ほぼ日本の内訳明細書と同じですので、数字を頼りに突合をしていくと、現地法人財務情報概要をさらうことができ、自然と確認したい点もでてきます。あとは、現地財務担当者と通訳も交えて、時には筆談で「国際財務交流」を楽しんでいただくのも一興です。
3.日本の法人税別表四に相当 納税調整表
また、監査報告書本体ではないですが、多くの場合おまけで「納税調整表」という資料をつけてくれています。これは日本の法人税申告書別表四に相当するものですので、財務が御専門の方であればこちらも御覧になっていただき、現地財務担当者と討論していただくと、財務担当者同士、国境を越えて絆が深まるかもしれません。