中国 新外国人就労許可制度
(実務の進捗とポイント制の本質)
2017年5月
1.新外国人就労許可制度 実務はいかがでしょうか?
なにかと話題の多かった新外国人就労許可制度が2017年4月から中国全土で施行となりました。皆様の周りでは実務の状況はいかがでしょうか?前評判ではいろいろな話があった本制度ですが、始まってみると「心配したような混乱はなかった」という声が多いような気がいたします。
2.ポイント制の本質 一般的な駐在員はクリアできる
本制度はポイント制で60点以上とらなければならないというのが大きな話題を呼びました。しかし、先日、ある法律事務所の弁護士の方が、非常に明快な解説をされていました。それは、「大卒、55歳以下、年間勤務期間9カ月以上、年収15万元以上の要件は現状でも大部分の駐在員が満たしており、これら等の合計で60点をクリアできる」というものです。明解な説明に非常に関心しましたが、そもそも従来からそれに近しい要件が就労許可には課されており、それをポイントで表現したということもできそうです。
3.世界ランキング100の大学、フォーチュン500企業で5点、HSK5級で10点
となると、一部で話題になっていた世界ランキング100の大学卒の場合の加点などはなんだったのでしょうか。採点表では、世界ランキング100の大学卒、フォーチュン500企業での就業経験でそれぞれ5点加点です。また、中国語を頑張っている駐在員の方には取得する方もいるHSK5級以上で10点となっています。それを考えると、世界ランキング100云々は、宣伝効果を狙ったのかな?という気もします。ただ、今の駐在員の方は就労許可の加点対象にもなりますので、中国語、HSKの勉強も張り合いがあるのではないでしょうか。