日中認識ギャップと最近の改正
(代表的な認識ギャップと、対応の留意点)
中国とのビジネスは当然中国法の理解が必須であり、日本でも様々な情報が発信されています。しかし、中国の実務という視点からみると、一部乖離した情報発信や理解が日本でなされており、ある種の誤解がまかり通っているような場合もあります。最近の中国の法改正の解説でも、現地の認識とかなりギャップがあるなと感じるものがありました。そこで、今回は日中の実務で認識にギャップがある主なポイントを解説してみることにしました。
1.短期滞在者免税
日本の財務担当者の間では非常に有名な短期滞在者免税(183日ルール)ですが、中国側の実務担当者は少し違った理解をしているケースも多いです。一度、現地の実務担当者の方とこの件でじっくりお話をしていただくのも面白いかと思います。また、外国人の個人所得税そのものもギャップが生じやすいポイントですので、新規赴任時などは特に注意して認識を合わせておくことをお勧めします。
2.サービスフィー送金の外貨管理と納税、PE
これがかなり大変なのですが、日本側も完全に理解している人は少ないですし、中国側も人や地域によりかなり理解にばらつきがあるといった印象を受けます。やっかいなのは、中国法人がグループ企業ではなく、「完全に第三者のお客さん(純粋な中国企業等)」というケースです。グループ企業なら、「現地を説得する、現地に確認させる」という作業が可能ですが、赤の他人だとなかなか難しい面もあります。しかし、適用される税法は当然ながら同じですので、責任を持つ範囲をどうするかなどを考えて行く必要があります。
3.ビザの新制度
4月から施行となるビザの新制度ですが、これも「外国人を学歴などでランク付けする」というところが日本ではセンセーショナルに取り上げられ、フィーバー?している時期もありました。ただ、これも「細かいところははじまってみないとわからない」というのが実務の感覚です。
4.VPN規制
身近な話題であるせいか、日本でも大きく取り上げられました。ただ、「VPNができなくなる!」といった誤解が一人歩きをしていた面もあるようです。これも通知は違法業者の取り締まりを謳ったもので、正規の企業利用分は問題ないという内容になっています。