2020年4月
日本の源泉徴収制度と預り金の会計処理
1.日本の源泉徴収制度 範囲が広く課税当局にとっては、徴収の重要な柱
日本の源泉徴収制度については、大まかなシステムは中国と同様です。法人等が給与を社員に支払う際、支払者が所得税相当分を給与から源泉徴収し、税務局に納税します。しかし、特徴としては、中国に比べ範囲が広い点や納税の頻度に特例がある点があげられます。具体的には、中国とは異なり、給与のほかに士業に支払った報酬や、様々な報酬も源泉徴収の対象となっています。また、納税も届出を提出すれば、一定の規模までは半年に一回の納税が認められる、しかしながら、半年に一度の対象としていい所得は給与と士業の所得に限定されるなど、かなり複雑な制度になっています。
2.背景 申告納税の促進と、インボイス(発票)制度がない代わりの徴収能力の補完
なぜ、こういった制度になっているのか考えてみますと、私見では中国等のインボイス(発票)制度を採用している国は、インボイス(発票)が税金の徴収のための強力なフィルターとなっていますが、日本にはインボイス制度がなく、かつ納税者の自主申告を大原則に掲げているためではないかと考えています。すなわち、事務処理能力と遵法精神が比較的高いと期待される法人等に幅広く源泉徴収義務を課し、納税者の自主申告の促進と当局の徴税能力の補完をさせているというものです。現状、日本ではこの制度はかなり上手く機能しています。
3.預り金の会計処理
では、源泉徴収義務者の会計処理についてみてみましょう。会計処理は中国に似ています。科目は「預り金」ですが、中国会計実務の「应交税金」に近い処理がされています。
すなわち、
①毎月の給与支給時は、
例:給与20万、源泉所得税1万、普通預金から差引支給額19万
(給与)20万/ (預り金)1万
(普通預金)19万
となり、
②半年分の源泉所得税(例:累計預り金6万)を税務署に納付する際は、
(預り金)6万/(普通預金)6万
となり、納付後は源泉所得税の(預り金)勘定はゼロになります。
日本的代扣代缴制度和(預り金:委托保管存款)科目的会计处理
1.日本的代扣代缴制度 范围广 对课税当局来说是征税的重要支柱
日本的代扣代缴制度和中国大致一样。法人等支付工资给职员时,支付者从工资里代扣代缴所得税之后向税务局缴纳。但是,日本的代扣代缴制度的特点是范围比中国广,而且纳税频度上有特例。具体来说,和中国不一样,除了工资以外,法人等支付给士业人员的报酬以及其他各种报酬都是代扣代缴所得税的对象。另外,若提交备案,而且法人等满足一定规模以下,税务局允许缴纳频度为半年一次。但是,半年一次特例的对象只是工资和士业人员的报酬等,是一个相当复杂的制度。
2.背景 促进自行申报缴纳 在征税能力上对由于不实行发票制度而进行补充
为什么有那么复杂的制度呢? 从我个人的意见来说,中国等实行发票(invoice)制度的国家,发票是一种强有力的征税工具。但是,日本不实行发票制度,而且税务的大原则是纳税者自行申报。也就是说,对事务处理能力高而且守法意识强的法人等,税务局给于大范围的代扣代缴义务,促进纳税者的自行申报以及补充课税当局的征税能力。目前,在日本这个制度运用得非常好。
3.預り金:(委托保管存款)会计处理
最后解说代扣代缴义务者的会计处理。会计处理与中国相似。会计科目名是「預り金(意思是委托保管存款)」、但是处理方法和中国会计实务的「应交税金」相似。
也就是说
①每个月支付工资时
例:工资20万、代扣代缴所得税1万、从公司的银行存款中支付的应付工资是19万
(工资)20万/ (預り金:委托保管存款)1万
(银行存款)19万
②半年累积的代扣代缴的所得税(例:累计預り金:委托保管存款6万)向税务局缴纳时、
(預り金:委托保管存款)6万/(银行存款)6万
缴纳后的代扣代缴的(預り金:委托保管存款)科目余额是零。