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わかりやすいニュース 2017年6月号 中国新外債管理制度

中国 新外債管理制度額

(新外債管理制度と従来の投注差制度)

2017年6月

1.中国の外債管理制度とは? 借りたい放題ではない

中国や新興国では外貨管理が日本より厳格です。なかでも、資本取引や借入については制限が多く、中国子会社でも外債(中国子会社が日本親会社などの海外から借入をすること)には、管理制度と限度額が設けられており、その限度額の範囲内でなければ借入をすることができないこととなっています。

 

2.投注差管理モデル 中国通の方にはお馴染み!

従来からある投注差管理モデルは、資本金に応じて外債借入限度額が定められている制度でした。資本金額を法律で定められた一定の割合で割り戻した金額が総投資額(この概念が日本にないのでわかりにくいのですが)の限度額とされており、外債借入限度額は総投資額と資本金額の差額となっていました。(例で言いますと、資本金700万円の法人の総投資額は最大で1,000万円が限度となるため、外債借入限度額は300万円となるといった制度です。)制度の趣旨としては、借入でなく、一定額以上は資本金として資金投入しなさいという、自己資本の充実を推奨するといった意味合いの制度です。

 

3.マクロプルーデンス管理モデル 純資産の2倍!でも純資産は変動する

 これに対し、新制度では通常の企業は純資産の2倍まで借入ができることとなっています。ゆえに、利益の出ている企業は投注差モデルよりかなり多くの金額を借りることが可能となります。しかし、純資産の額は当然ながら毎期変動しますので、理論的には限度額が増減することとなります。また、2の投注差管理モデルと、3のマクロプルーデンス管理モデルは、制度移行期間中である現在は選択制(将来は3のみになる方向です)で、選択後の変更は不可であるため借入をする際は長期的な予測のもと、どちらが有利か考えていく必要があります。(日本の消費税課税事業者選択みたいですね・・)