日中税務会計のエキスパート  森村国際会計事務所・国際行政書士事務所 中日税务会计的专家 森村国际会计事务所・国际行政书士事务所 chinese and japanese tax and accounting expert morimura international accounting and administrative scrivener's office

わかりやすいニュース 2016年12月号 クロスボーダー年末調整

クロスボーダー 年末調整

(国境を超える扶養家族と全世界レベルでの課税の公平)

2016年12月

今回は日本の所得税年末調整についてお話したいと思います。「せっかく年が明けたのに年末の話をしないで!」とお叱りを受けそうですが、年末調整というのは手続の名称ですので、実は年末までに計算をしなければいけないというものではありません。(ちなみに、韓国では2月に年末調整を行います。)2016年の日本の年末調整の目玉は、「国外扶養親族に関する書類の源泉徴収義務者への提出」でしたが、国外扶養親族がいる側の国の事情も気になりましたので、日中韓の年末調整について特徴を比較してみました。

1.日本 国外扶養親族は送金書類が必要

2016年から国外扶養親族がいる場合、一定の書類添付が義務化されました。これは、人的控除の対象となる扶養親族が国外にいる場合は、親族であること及び送金の事実を証する書類などの資料の提出が義務付けられたというものです。趣旨としては、扶養親族は「生計が一であること」が要件となっているため、その事実の確認のため設けられた制度です。確かに「海外に住むおじいちゃん、おばあちゃん、親戚」を無制限に扶養家族に入れられると、確認が大変という日本の税務署の事情も理解できます。

2.韓国 2月に年末調整 控除が多い

 韓国は、計算システムは日本と似ていますが、項目が細かく、計算も2月に行うようです。これは、給与所得者でも「クレジットカード控除」などの控除があるためかもしれません。かなり控除できる項目も多く、ちょっと確定申告っぽいような印象も受けます。

3.中国 月次申告完結方式、基礎控除のみで年末調整なし

 中国は基本的に月次申告で完結していますので、年末調整という手続はありません。ただ、中国人の高額所得者の方からは、「中国も日本みたいな個人別控除を導入してほしいよ」という声もあるようです。各国により税制は異なりますが、グローバルファミリーが一般化すると、「国境を越えた課税の公平」も今後議論されていく時代になるのかもしれません。