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とにかくわかりやすいニュース 12月号 日中付加価値税が熱い!

1.日中付加価値税(消費税、増値税)が熱い!

最近、日本中国とも付加価値税(日本では消費税、中国では増値税)の改正が非常に話題となっています。双方ともよく似た税金で、しかも税としての歴史が比較的新しい(中国はサービス業の一部が営業税から増値税へ移行中。日本の消費税は平成元年導入)という点で似通っています。今回は日中の改正について解説していきます。

 

2.消費税複数税率適用→インボイス方式開始の検討? 

まずは日本の消費税です。新聞報道などでご存知の通り、遂に複数税率の導入と相成りました。複数税率対応のためには、税務実務ではインボイス方式(中国のような領収書記載の税額で消費税を管理する方式)が導入されるのではと専門家の間では話題になっています。その昔、私が税理士試験で消費税を勉強していたころ(15年程前です)、消費税の先生が、「日本の消費税は諸外国の中では珍しい帳簿方式という課税方式をとっているが、複数税率には対応できない。複数税率導入の際には日本の消費税もインボイス方式に変わる!」と仰っており、当時は「ふーむ?」と思っていたのですが、15年越しで本当にそうなりそうな気配です。当時の消費税の先生、お見事です!

 

3.オフショアBPO等が免税からゼロ税率→増値税の仕入税額控除可

続いて、中国です。財税2015【118】号により、大連等によくあるオフショアBPOサービスの増値税が免税からゼロ税率へ変更となることとなりました。「免税とゼロ税率の違いって何ですか?」と疑問をお持ちになるかと思いますが、簡単に言うと免税だと対応する仕入増値税の控除ができず、増値税は払いっぱなしになってしまうものが、ゼロ税率だと控除でき、場合によっては輸出企業のように還付が受けられるというものです。ただし、気をつけなければならないのは①現地法人が一般納税人でないと増値税の仕入税額控除ができないという点と、②付加税の取り扱いが異なるため場合によっては税コストが増加することも有り得るという点です。この辺りが「日本の消費税と似ている」と言えども、異なる点もある中国の増値税の手強いところです。

 

4.日系企業実務でのポイント 一般納税人、外注の活用による商流の変化?

ゼロ税率の改正で日系企業の実務において影響が大きいのは「控除をするためには一般納税人にならなければならない」という点と、「オフショアBPOでも中国国内企業に一部外注に出すことの税務上のデメリットがなくなった」という点かと考えています。従来は免税のBPO業務の一部を中国国内企業に外注に出すと、外注業者に支払う増値税が控除できないという点が大きなデメリットになっていましたが、今後控除できることになれば外注の活用が拡大することも予測されます。(なお、実務上の詳細要件はまだ発表になっていませんので、外注が実務上も控除、還付の対象となるか、スムーズに還付されるかなど、詳細は実務の進捗を待つ必要があります)

また、最近の実務では日中とも国際間サービスが入り乱れ、税法上の国内外判定が難しい(私の消費税法受験当時は税理士試験の中でしかでてこなかったようなケースが、現在の実務では頻繁にでてきます)ケースもありますので、しっかり根拠法令等確認することが必要でしょう。